ホーム > 時事・経済要点 >

ロンドンからわずか45キロ、大規模な油田発見

2015年04月11日 ネズミ1号:略称「T」
,


水面下で繰り広げられる情報戦と金融や経済動向のバランシング力学が加速して行く!?

20世紀から21世紀のおよそ50年間に科学技術はものすごい勢いで発達しましたが、この根底にあるのがエネルギー革新だと言われています。原子力のエネルギー利用については、第2次世界大戦後フランス、ドイツ、ロシア、アメリカをはじめとして各国で競ってエネルギー活用がなされたきましたが、スリーマイル島事件や東日本大震災等その動きは鈍化しつつある感じです。ちょっとひねくれた見方をすると..


 

 

空母や大きな船などは原理色を活用したタービンなどで動かすことができますが、作戦上重要なコマとなる航空機や戦車などは内燃機関を中心とした動力が今だ主流なため原油がなければ、動きませんし、またオルターネーターから発電される電力がなければ、オンボードされているコンピュータも動かない訳です。

そういう意味では、まだまだ原油の価値というのは現代文明と各国のパワーバランスをバランシングさせる上で最も重要な要素であるというのはなんとなく明らかであることは明白なのだと言えそうです。

ロンドンから45キロしか離れていないところから大規模な油田が発見されたとのニュースなのですが、石油会社は、たしか、衛星や地下ボーリングサーチ、さまざまな技術を駆使して、地球上の各地に存在する油田については、実は把握しているという話を聞いたことがあります。今回のニュースについても、その昔から業界関係者(トップ)ならば誰しもが知っているネタがカードとして出されたという感じがするのですが、技術的にある程度採算ラインにのったという観点と、地政学的、経済状況、政治動向的な観点で、単中長期的な可能性をしめすことによる牽制という観点いづれかで見るかによってこの手のニュースの捉え方が変わってくるのでしょうね。

シェール革命と大宣伝されてきた件はどうなった?

通信社、国内新聞社の報道内容を見るとおもしろいのですが、読売の書き方は、大規模油田発見にともなうインパクトについては、「環境、温暖化という観点から時代遅れ」という論調でしめくくっているところが面白いです。シェールガス、シェールオイルについては、読売の論調も、「革命だ」という論調だったように記憶しています。

そういう意味で、おそらく今回のは難易度の高い海底油田なのでしょうが、シェール系の採掘方法もいろいろな科学物質を地下に高圧力でばらまき、その上、その油田はすぐに枯渇してしまうような高単価でリスクが高い採掘手法だったりするのですが..読売の記事の締めくくり方は(全然意図など無くただ書いただけかもしれませねんが:)いろいろな意図が込められていると考えてみると面白いかもしれません。

一方で、ロイターでは、推定埋蔵量は、最大1000億バレル規模。(現在の技術と採算性が取れる範囲での投資で)採掘可能な規模は、その5%から10%で、2030年までイギリスが必要とする原油の10-30%をまかなえるという試算で締めくくっています。

現在、アメリカ、中東サウジ含めオイルピークを越えており、原油産出量は減少傾向です。イギリスの北海油田もしかり、スコットランドの独立運動もしかり、そしてリーマン後のロシア経済の成長も、ロシア国内の豊富な原油の埋蔵量と生産にあったという点も見ておくべきポイントかもしれません。

その観点でいうと、2030年までイギリスが消費する原油の最大30%をまかなえるという事の意味とインパクトは国力という視点で考えると超が付く代物なような気がするしたのです。現在のユーロ圏の金融債権のリスク問題(ドイツがキーといわれていますが)やちょっとユーロと距離を置いているイギリスという観点。そして新興国がこぞってエネルギー資源確保に奔走している情勢などを掛け合わせると、もし昔からその手の人が知っているネタだったとしたら、タイムリーなタイミングに出したのだということかもしれません。

以下は、ニュースソースの報道内容を貼り付けてたものです。関連する直近の記事含め並べてみました。

ロイター:ロンドンからわずか45キロ、大規模な油田発見

ロンドン 9日 ロイター]英石油探査会社UKオイル・アンド・ガス・インベストメンツ(UKOG)は9日、推定埋蔵量が最大1000億バレル規模の石油資源をロンドン近郊のガトウィック空港付近で発見したと発表した。

これを受けて同社の株価は一時200%上昇した。メディアは同地域を「英国のダラス」と呼んだが、実際に回収できる石油はほんの一部とみられることもあり、石油業界アナリストは慎重な見方をしている。

スティーブン・サンダーソン最高経営責任者(CEO)は英国放送協会(BBC)に対し「重大な意味を持つ発見だと思う。おそらくこの30年間で(英国の陸上では)最大の規模で、国家的な意義があると考えている」と述べた。

UKOGが発見した石油資源は英国南部のウィールド盆地に位置する。ここはガトウィック空港に近い田園地帯で、ウィッチファーム油田に位置する欧州最大の陸上油田に隣接する。

UKOGは証券取引所に宛てた声明で、第3者によるリポートによると、1平方マイル当たり約1億5800万バレルの石油埋蔵量があると推定され、当初の予想よりもかなり多いと説明した。

サンダーソンCEOは推定埋蔵量1000億バレルのうち、回収できるのは5─15%で、これは2030年までに英国が必要とする原油の10─30%をウィールド地区が賄えることを意味すると指摘した。

読売オンライン:ロンドンからわずか45キロ、大規模な油田発見

【ロンドン=森太】英ロンドン近郊で最大規模の陸上油田を発見したと、英国の石油掘削会社が9日発表し、議論を呼んでいる。
  
 
UKオイル・アンド・ガス・インベストメンツ(UKOG)の発表によると、油田はロンドン中心部から南約45キロ・メートルのガトウィック空港に隣接する 地域で見つかった。埋蔵量は最大1000億バレルと推定され、英スコットランド沖の北海油田で過去40年間に採掘された量(約450億バレル)の倍以上に 相当するという。


実際に採掘できるのは、現時点では全体の5~15%の見通しだが、これは、2030年までの英国内需要の10~30%にあたるとしている。


ただ、この発見が英国のエネルギー事情にどの程度影響するかは未知数だ。英主要メディアでは「1000億バレルという推計が正しいかどうかは誰もわからな い」と疑問視する専門家の見解や、地球温暖化の原因となる化石燃料を大量に採掘するのは時代遅れだと批判する意見が目立っている。

読売オンライン:シェル、英大手BGを買収...業界再編の可能性も

英オランダ石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルは8日、英エネルギー大手BGグループを470億ポンド(約8・4兆円)で買収すると発表した。

 シェルとBGの石油・天然ガス生産量(2013年)は、合計 で日量約380万バレル(原油換算)となり、欧米メジャー首位の米エクソンモービル(日量約420万バレル)に肉薄する。シェルが原油安による業績低迷を 規模拡大で乗り切る姿勢を示したことで、世界的な業界再編につながる可能性もある。(ロンドン 五十棲忠史、有光裕) ロイター通信などによると、石油業界では少なくともこの10年間では最大規模の買収案件となる。 買収は株式交換と現金で行う。両社は、統合による相乗効果を、年間約25億ドル(約3000億円)と見込んでいる。

原油に関連した参考図書・面白図書

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)
発売日: 岩瀬 昇 (著)

あらすじ(Amazonより):"資源ナショナリズムが高まる今こそ、「教養」としてのエネルギー複眼思考を。商社でエネルギー部門に携わること40年以上の著者が、これまで誰も言わなかった石油「埋蔵量」のカラクリ、シェールガスの未来、「第5のエネルギー」の可能性をやさしく解説。資源が乏しい日本が選ぶべき道は? HONZ成毛眞氏 大絶賛! エネルギーがわかれば世界が見える。 安全保障、世界経済、ナショナリズム、環境問題、 新技術と、あらゆる問題に絡むエネルギーの基礎知識を この一冊で。 第1章 日本の輸入ガスはなぜ高いか? 第2章 進化するシェール革命 第3章 「埋蔵量」のナゾ 第4章 戦略物資から商品へ 第5章 もう一度エネルギー問題を考える 第6章 日本のエネルギー政策 "

石油の支配者 (文春新書)

石油の支配者 (文春新書)
発売日:浜田 和幸 (著)

あらすじ(Amazonより):これまで石油の世界を牛耳ってきた「王者アメリカ」「本家・中東」。台頭著しいロシア、中国。アフリカでは採掘を巡って激しい覇権争いが繰り広げられている。誰がこれからの石油世界を支配するのか。誰が原油価格を決めるのか。「知られざる石油の世界」の教科書決定版。

石油の帝国---エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー

石油の帝国---エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー
発売日:スティーブ コール、 森 義雅

あらすじ(Amazonより):"各方面からの反響に支えられて重版続々! アラスカ沖原油流出事故から、原油を求めて世界の紛争地帯に飛び込む。現地政府、軍隊、反政府勢力などと壮絶な競争を繰り広げつつ、米国政府を陰で動かした。 全米最大で最も嫌われているエクソンモービルはこうして生まれ、そして世界を手に入れた。その姿を、ピューリッツアー賞受賞記者が数多くのインタビューと膨大な資料を基に描き出す。 『セブンシスターズ:不死身の国際石油資本』(1976年)、『石油の世紀 支配者たちの興亡』(1991年)を書き継ぐエネルギーと権力の証言集であり、エクソンモービル抜きにこれからの国際政治は語れない。 "

石油を読む―地政学的発想を超えて (日経文庫)

石油を読む―地政学的発想を超えて (日経文庫)
発売日:藤 和彦 (著)

あらすじ(Amazonより):高騰する原油価格の主原因はどこにあるのか? 我々の生活への影響は? 世界のエネルギー源の4割を占める石油市場への関心が高まっている。石油に関する「神話」を解き明かし、さらに日本がとるべき戦略について語る。

池上彰のこれが「世界のルール」だ!

池上彰のこれが「世界のルール」だ!
発売日:池上 彰 (著)

あらすじ(Amazonより):"平和は終わった! 「イスラム国」からピケティ「21世紀の資本」まで、 大困難の時代に必要な50の知識 「日本が攻撃対象であることを名指しされる時代になりました。 過去ののどかで平和な時代は終わりを告げたかのように見えます。 では、どうすればいいのか。 まずは「敵」を知ることです。 歴史から現代が見えてくるのです。」――「はじめに」より 池上さんが「渦中の人」となった朝日新聞問題や 川上量生さんとのスペシャル対談も収録! 【目次】 ルール1 組織拡大術――「イスラム国」が急成長したわけ ルール2 トラブル解決法――間違いの謝り方が勝負だ ルール3 ホンネを見抜く――公開情報から推理する ルール4 歴史の勉強法――社会人は教科書「世界史A」を読もう ルール5 究極のリーダー術!?――独裁・中国はどこに行く ルール6 お金、マネー、資本を知ろう ルール7 交渉術、プレゼンテーションを磨け ルール8 ビジネスのカギは科学にあり ルール9 インタビュー術!――「いい質問」をする秘訣 "

池上彰の「経済学」講義 ニュース編 覇権をめぐりお金が武器に

池上彰の「経済学」講義 ニュース編 覇権をめぐりお金が武器に
発売日:池上 彰 (著)

あらすじ(Amazonより):" テレビ東京・BSジャパンの放送でも話題。池上彰の愛知学院大学講義の書籍化・第2弾。ニュースを経済の視点から読み解く。お金を武器に覇権を争ってきた戦後世界。東西冷戦後の資本主義の暴走、原油価格の乱高下と地政学、イスラムの台頭などで注目を浴びる宗教と経済の関係、出口戦略が問われるアメリカの金融政策――などから、21世紀の世界を考える。 第2弾 ニュース編 覇権をめぐり お金を武器に 1 石油をめぐる地政学 2 お金が商品になった――ブレトンウッズ体制の崩壊 3 リーマン・ショックが生まれた理由 4 EUとユーロ――理想と現実 5 金融政策の方法とは?――日銀とFRBの役割 6 宗教と経済の関係を読む 7 企業の成長と衰退を考える――   スターバックス、マイクロソフト、アップル、アマゾン テレビでも話題の愛知学院大学講義の書籍化・第2弾(全2巻完結!) 内容(「BOOK」データベースより) 経済の視点でニュースを読み解く。資本主義の暴走?宗教と経済の行方。21世紀の世界を見通す。愛知学院大学2014年講義を書籍化!第2弾。 "

原油争奪戦争 上 (C★NOVELS)

原油争奪戦争 上 (C★NOVELS)
発売日:大石英司 (著)

あらすじ(Amazonより):領海が複雑に交錯する東渤海の海底油田と中国最奥部ウイグル自治区の塔南油田で、テロリストによるダブル油田ジャックが発生。国際共同開発が進む二大石油プラントが破壊されれば、アジアのエネルギー事情はたちまち逼迫し、日本海は大量の油に汚染される。だが民族問題に神経をとがらす中国は強攻策に固執し、一触即発の事態に。油田開発に資本を投入し技術者を派遣していた日本は、一人のオイルマンと陸自の特殊部隊サイレント・コアの現地投入を決断する。荒海の掘削リグと灼熱の砂漠――二正面作戦の勝算は!?

原油争奪戦争 下 (C★NOVELS)

原油争奪戦争 下 (C★NOVELS)
発売日:大石英司 (著)

あらすじ(Amazonより):二大油田のダブルジャックは中国のアキレス腱、新疆ウイグル自治区の大暴動へ発展した。石油の需給バランスを崩壊させる深刻な事態に日中両国政府は強攻策 を決断、西の塔南油田には中国正規軍、東渤海の海上リグには陸自特殊部隊を派遣した。だがあまりに鮮やかに裏をかくテロリストの行動に、日本政府から情報 漏洩の疑いが...。テロリストに資金と情報を提供していたのは、官僚組織に巣食う闇の派閥だったのだ。霞ケ関を怪情報が行き交う間に、決戦場となった塔南油 田には空前規模の砂嵐が迫っていた―「サイレント・コア」決死の二正面作戦。



2015年04月11日 ネズミ1号:略称「T」
,


前ページに戻る


,


おすすめ記事

関連記事