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AIIBとADB:経済発展した中国がアジアの名主になる流れは米国も望んでいるというのは自然な流れ

2015年11月21日 ネズミ1号:略称「T」
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〇〇開発銀行とはアーリーステージのファイナンスを担うキューピットのようなもの。初期ラウンドの出資者が最大利益を上げられるのは明確な流れ・・・

moneyvoice:10月にワシントンを訪問した習近平主席とオバマ大統領の会談は中国の失敗に終わったという趣旨の報道が日本では多かったように記憶しています。会談でオバマが切れて、南沙諸島に中国が作っている人工島へ米国艦隊が12カイリを航行する様子などが最近報道されましたが、実際、米国と中国は密接にコミュニケーションをとりながら新しい世界経済秩序を形作るべく政治・外交の観点で着々とオペレーションを進めているのかもしれません。


 

 

1944年~71年まで続いた金とドル交換を前提とした通貨体制、その後のドルと原油決済を中心としたドル基軸体制の維持、そして今後は経済発展の余地が大きい新興国を巻き込んだ通貨体制へとシフトして行くように見える

19世紀から20世紀にかけて目覚ましい勢いで工業化が発展し、2度の世界大戦が起きましたが、中世~近代時代とはその世界大戦では、比べ物にならないような火力をもった兵器なども登場し、まるで、それまでの古い秩序を壊してリセットするかのようなパラダイムシフトが起こるための原動力となったという壮大なファンタジー小説みたいなことが起きたようなダイナミックな胎動がおきたように見ることもできます。

「事実は小説よりも奇なり」ということわざにもあるとおり、実際現実世界で起こってきた、または今進もうとしている事柄は思っている以上に戦略的で、普通に生活していると到底想像が及ばないような大きなシナリオが胎動しているという風に世界を捉えることができると、日々同じことを繰り返しているような生活の風景がまた違ったものに見えてくるかもしれません。

世界のGDP総計が約78兆ドル、中国はGDPで世界第2位、10兆ドルを占める

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一方日本は、「流動性の罠の問題は、先々の楽観的な見通しが立つか否かで解決できる:クルーグマン」でも紹介した通り、人口減少トレンドと平行するかのようにGDPは加工下傾向

こうしてみると米国は新興国の経済発展をドライバとしてGDPは増え続けるフレームワークが作り上げられているだろうということが予測できたりするのですが、移民を受け入れている米国では、先進国で唯一人口が増えているという国だったりもします。

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そうした中で日本のGDPは、伸び悩み、下降トレンドが顕著になってきているように見えます。日本ではGDPを600兆円へというスローガンが掲げられていますが、これは1995年バブル崩壊前の水準にターゲットを持ってきていることが分かると思います。

実現した実績がない目標ではなく、過去に届いたもしくは届きそうだった値を掲げているところなどは実に官僚組織らしい数値だとおも思ったりするのですが、冷静に見てみると、現在の経済力という視点で世界を捉えた時に上のグラフのような形になっているということですね。

海外のシンクタンクでは、米国と中国との茶番について有料のレポートで言及しているものもあるようですが、AIIBの設立について中国にアメリカが創るように働きかけたというのは一概にありそうな話かもしれません。

経済が大きくなった国を制御するには、こうしたファンドという枠組みの中で出資者どうして次なる成長投資に関して情報交換をしながら、マネージメントしつつ、利益を共有するということに中国も今後慣れてもらいたいという思いがあるとも言えるでしょう。

AIIBについては、中国が自主的に提案したという体になっていますが、欧米ショックが影でノウハウや監視体制含め、共産党国家である中国を列強のマネジメントの枠組みの中に上手に取り込もうとしているしたたかな筋書きの流れにのっているお話かもしれません。

NHKBS1でもRisingChinaというテーマでAIIBについて討論会を放映していましたが

戦後、日米を中心に形成されてきたアジアの経済秩序。そこに中国が台頭し、AIIB=アジアインフラ投資銀行や巨大経済圏「一帯一路」構想を打ち出している。それに対し日米は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の早期発効を目指し、アジア太平洋地域での指導力確保を急いでいる。日米は、中国とどう向き合い、どのような経済秩序を形成すべきなのか。中国経済に精通し、日米双方の政策立案に関わってきた専門家が討論する。

【司会】ミレヤ・ソリス,【パネリスト】エスワー・プラサド,デイビッド・ダラー,河合正弘,片田さおり

直接上記のようなことをそれぞれのパネリストが語ってはいませんでしたが、背景に上記のようなことがあるという前提でオブラートにつつんだような形で、一部の層へフォローしているような内容だったのが面白かったです。

アジア開発銀行は、日本のもと大蔵官僚が発案したものであり、日本・米国を中心とした投資案件(いちおう貧困を救うということになっていますが)をベースに商社や建設事業者や貿易事業者などさまざま利権がからむプロジェクトが行われいた事が想像できます。そいういう意味ではAIIBについて一番利権に影響があると思われるのが日本なのは間違えありませんが、ADBもAIIBと協力の方向で態度を柔軟化してきている動きも、設立が有名事実化された中で起こされているようです。

そいういう意味では、AIIBの設立と、中国が支配層の円卓に組み込まれることはある意味両サイドにとってWinWinなことであり、自然な流れだと言えると思います。

元がIMFのSDRとして採用されるかどうかも注目されていますが、AIIBの成功のプロセスをみながら、通貨体制についても徐々にその役割を組み込間れてゆくようなさまざまな筋書きをエサに、これまたさまざまなシナリオが用意されているのかもしれせん。そいう意味では、今後数年のうちに新しい通貨体制、経済体制という枠組みが形づくられようとしていると言えるかもしれませんね。そして、そこには現在新興国と呼ばれる国々も一つの名主として組み込まれているでしょうか?

そういう意味では、あとは地球上の資源と人口の問題と、新しいエネルギー技術など解決されるべき課題などについても大まかに見てゆくと面白いかもしれませんね。



2015年11月21日 ネズミ1号:略称「T」
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