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日本の貸借対照表-貸方と借方が合致しないワケについて考えてみました

2015年12月28日 ネズミ1号:略称「T」
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日本のバランスシートでは資産・負債差額=”純負債”が-490兆となっていて貸方と借方が一致しないのはなぜ?

現代ビジネス:元大蔵官僚の高橋洋一氏の記事によると日本の借金1000兆円は嘘でした。ということですが、貸借対照表について借方の資産については、資産総額は658兆円その内訳は流動資産352兆円、固定資産179兆円、運用預託金105兆円、その他18兆円。貸方の部の負債は1143兆円(公債856億円、政府短期証券102兆円、借入金28兆円:いわゆる国の借金976兆円 と 公的年金預り金112兆円、その他45兆円)で資産・負債の差額は490兆円なのだそうです。


 

 

ということで、現代ビジネスの記事とその記事の中で紹介されていた財務省が公開しているB/Sの内訳をざっくり貸借対照表にまとめめてみました。

balancesheetofjapanesegoverment.jpg

この貸借対照表とみると?という感じですが、普通の民間企業の財務諸表では借方と貸方が一致しないとおかしいのですね。資産の部の借方が490兆円ほどたりませんが、企業の財務諸表の場合は、この部分に資本や資本準備金に相当する金額がきて貸借が一致するというのが一般です。
、財務省の財務会計資料でも書いてありましたが

balancesheetofjapanesegoverment2.jpgというように、資産・負債差額の部というのが儲けられてあって、△約490兆円とされているのでした。

うーん、普通の企業のバランスシートでは、貸方の方が借方より多いという状態は、債務超過な状態としてみてしまうのですが、ここに国のばあはカラクリがあるという感じでしょうかということで、私は財務の専門家ではないですが、ちらっと辻褄の合わせで考えてみました。

一般企業の簿記では、1000万円借金して、設備投資したり、土地を購入したりした場合、

        借方         貸方

土地固定資産 1000万   現金借入金 1000万

というように、貸借が合致するように記載されるのはご存知かと思います。つまり、借りたお金は、投資するなり、土地を買うなりといった資産に化けて借方に計上される訳ですね。

ところが国の場合例えば、公債や短期証券などを発行して、調達した資金は、土地や製品をつくる設備のような固定資産になるのではなくて、公共事業や、政府が国民に対して提供するサービスや公務員の給与などにあてがわれるということになる訳です。そもそも国というものが、営利法人じゃないという想定に立つと、ブルーの部分の490兆円という部分については、国家を運営する上で必要な無形価値なものという解釈がすんなりくるように思います。私の場合は企業買収のときなんかに計上する「のれん」という概念がしっくりくるのですが、国に当てはめると日本国という国の総合的なバリューという解釈になるかもしれません。

高橋洋一氏の記事では、実は日銀への政府出資比率は50%を超えるのだそうですが、日銀を連結対象としたB/Sを想定すると、2014年3月時点でのネットのマイナスは、253兆円となるそうです。

そして直近は、日銀も含めると連結ベースのネット国債(マイナス分)は150から200兆円と、50兆から100兆円近く減じているということです。

一方日経ビジネスの記事では、民間部門のGDP的な要素も全部入れたバランスシートがのっていましたが、その規模はなんと5000兆円を超えるレベルです。こちらでは借方と貸方の差分が普通の企業のB/Sでいうところの資本のような形でバランスが取れているのでしっくりきますね。

「国の借金」意味分かって使ってる?家計簿的発想で「国家のバランスシート」を見るなかれ

balanceshettofjapanesehole.jpg

まとめ

国の財務諸表というのは、普通の企業の貸借対照表や損益計算書のような見方をしないのだなというのが今回の記事をきっかけに個人的に思ったとこではありますが、特に中央銀行が発行する銀行券以外にも、通貨は政府が発行できたりして、例えば100円を発行するのに原価が75円だったりすると、それによる粗利(シニョレッジ)みたいなことも発生するそうで、実のところ、財務のマジックというのは非常に興味深いですし、財務省や日銀なども財務会計上のバランスを真摯にみながら健全に運用しているのだろうということがちらりと推測できたりした感じがします。

国(政府)の会計を考えると、歳入は税金、歳出は予算ということで見がちですが、よく言われる小さな政府という言葉もあるとおり、民間部門の財務諸表をひっくるめたすべての部分で見ていかないとその国の健全さというのはなかなかわからない部分もあるのだなと考えてみたりしてみました。

その点で、ヨーロッパなどでソブリン危機などが話題になりましたがどういう国が名指しされて危機を危惧されたのかを見てみると、観光資源だけの国で多くの公務員を抱える国や、土地だけがべらぼうに上がった国なんかがについてそういうことが言われていたように思います。

小学生の頃、日本は加工貿易立国というのを習いましたが、簡単にいうと、原材料を加工して、付加価値をつけてよそへ売りつけて利益を稼ぐということですね。490兆円の資金がそいう設備投資(人材、基礎研究、働く労働者の品質や環境整備、公共投資等に使わる)という健全な投資がなされたいたならば、日本の国土と国民が、無形資産みたいな勘定科目で計上できたりして、それがイコール信用といううことで、お金が回っているという考え方もできるかもしれません。



2015年12月28日 ネズミ1号:略称「T」
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